コラム詳細

小粋なワンルーム

人の暮らす部屋 vol5
2022.04.05

【おしゃれと実用性を兼ね備える、小粋なワンルーム】

都内でも屈指の人気エリアである代々木上原駅から、徒歩1分の場所に住む平野さん。職業は「リノベ百貨店」のデザイナーであり、インテリアコーディネーターの顔も持つ。日々、間取りや内装を考え、リノベーション物件を生み出す彼女は、一体、なぜここを選んだのか。プロ目線で見る、この物件の住み心地。


●レイアウトが制限されるから、あえてTVは置かない。

平野さんがここに越してきたのはいまから3ヵ月前。この場所は「リノベ百貨店」がリノベーションを手がけていて、デザインしたのは何を隠そう、平野さん自身。

「もともとここは、和室の1Kだったんです。そこをリノベーションして、いまっぽいワンルームに作り変えました。パッと見はわからないと思うんですけど、天井なんかをよく見ると、既存の和室の天井を白く塗っただけなんです。それが逆に部屋の味になっているなと、我ながら思います(笑)」(平野)

ここは、「女性の一人暮らしの部屋」というよりも「小さなデザイン事務所」のよう。リノベーションをしたことに加え、インテリアやオブジェの一つひとつこだわりが滲み出て、部屋の景観をそこねるものは置いていない。普通の部屋に当たり前にあるテレビも、そこにはない。

「テレビは見ないほうだったから思い切ってテレビは置かず、プロジェクターにしました。テレビの存在感って、狭い部屋になるほど大きくなるし、テレビを置くためのボードも必要になるじゃないですか。かなり圧迫されるんですよね。なくしたことでスペースが確保できて、より自分らしい部屋になったかなと思います」

●ヴィンテージも取り入れながらモダンな家具を。

こうしてレイアウトの制限がなくなった部屋で、次に取り掛かったのは全体のバランスだった。

「ふたつのヴィンテージの棚は前の家から持ってきたんですけど、和の雰囲気なんです。それを洋の部屋になじませるのはちょっと悩みましたね。だからテーブルもビンテージのものにして、ベッドも木目を主張しないものを選んだんです。でも、この家をリノベーションするときに、比較的どんな家具にも合わせやすいデザインにしたので、結局どんなテイストの家具にもフィットするんですけど(笑)」

この部屋はどこに、どんなものを置いても成立するような間取りとデザインになっている。家具の種類も、レイアウトも、入居者の好みに合わせて自由自在。「リノベ百貨店」が自らリノベーションを手がけた物件の特徴でもある。もちろん遊び心も忘れない。シンク周りは、一面タイル貼り。

「自分でデザインしながら言うのも変ですけど、このタイルはよくできたなと思います。実際にキッチンがいちばんのお気に入り。ここで料理をしていると、ちょっと気分が上がるんですよね。いつもよりおいしいご飯ができる気がして」

●こんな時代だからこそ、自分が気持ちよくいられる部屋を。

リノベーション物件というのは、その多くが、もとは古い物件。そこに手を加えるわけだから、玄関にオートロックはないし、3点ユニットの場合もある。けれどそんな「当たり障りが“ある”のがいい」とは平野さん。

「例えば、女性だったらセキュリティも大事だろうし、お風呂とトイレは別がいいという人も多いと思うんです。でも、リノベーション物件にはそうした最新の設備はないけど、本当に唯一無二だし、より自分の色を出しやすいと思うんです。そんなところが魅力なんじゃないかなって」

そのなかでも、家のプロはどんな目線で物件を探すのか。

そのなかでも、家のプロはどんな目線で物件を探すのか。

「あくまで個人の感想ですけど、例えばベッドが特定の位置にしか置けない部屋は嫌なんです。レイアウトもいろいろ変えたいタイプなので。あと、この家に関してはウォークインクローゼットが広いから、いらないものはしまっておける。収納の多さもやっぱり大事。日当たりとかは二の次です(笑)」

引っ越した新たな家は、日々クリエイティブに働く平野さんに、新たなインスピレーションを与えてくれているという。家での時間が増えたからこそ、家の環境を大切に。最後に、おしゃれな家づくりのコツを聞いた。

「私の場合は大きい家具はシンプルにして、小物をカラフルにすることをちょっとしたテーマにしています。すべてがシンプルでモノトーンとかにしちゃうと、空間の印象が重たくなりすぎてしまうので。あとは、観葉植物を置いて、照明をたくさんおけば、だいたいいい感じの部屋になりますよ(笑)」

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